化粧品成分について|page2

サニー行政書士事務所

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化粧品薬事法務に関する用語集

化粧品成分

全成分表示義務

その名の通り、化粧品成分の全成分表示をしなければならないルールのことです。

全成分表示については、次の点に留意しなければなりません(H13.3.6 医薬審発163、医薬監麻発220)。

(1)成分の名称は、邦文名で記載し、日本化粧品工業連合会作成の「化粧品の成分表示名称リスト」等を利用することにより、消費者における混乱を防ぐよう留意すること。
(2)成分名の記載順序は、製品における分量の多い順に記載する。ただし、1%以下の成分及び着色剤については互いに順不同に記載して差し支えない。
(3)配合されている成分に付随する成分(不純物を含む。)で製品中にはその効果が発揮されるより少ない量しか含まれないもの(いわゆるキャリーオーバー成分)については、表示の必要はない。
(4)混合原料(いわゆるプレミックス)については、混合されている成分毎に記載すること。
(5)抽出物は、抽出された物質と抽出溶媒又は希釈溶媒を分けて記載すること。ただし、最終製品に溶媒等が残存しない場合はこの限りでない。
(6)香料を着香剤として使用する場合の成分名は、「香料」と記載して差し支えないこと。

日本のみならず、EU、ASEAN、米国、中国、台湾、韓国など、日本からの化粧品輸出の主要な相手国はすべて全成分表示を要求しています。
(余談ですが、表示の場所については、容器と外箱両方への表示が要求されている所もあれば、いずれかのみでよいとしている所もあり、地域によってまちまちです)

そして、全成分表示に使用する言語も国地域によって異なります。

EU:原則としてINCI
ASEAN:INCI、及びBritish Pharmacopeia(英国薬局方)やUnited States Pharmacopeia(米国薬局方)収載の名称も使用可能
米国:INCIが基本。INCIに無い場合、United States Pharmacopeia等も可能
中国:中文INCI
台湾:INCI、米国薬局方、EU薬局方、中華薬典等関係公定書など
韓国:ハングル。但し漢字や英語を一緒に記載することも可能

日本のルールにおいて全成分表示に至った簡単な経緯については、「全成分表示名称」のページに解説しておりますので、そちらもご参照ください。

当事務所では、成分名称の翻訳(日本語→INCI、INCI→中文INCI、日本語→中文INCI等)も承っております。ぜひご活用ください。

全成分表示名称

化粧品に配合されている成分について、日本化粧品工業連合会が命名した和名のこと。

現在、日本国内で販売流通させる化粧品には、「全成分表示義務」が課せられています。
これは、かつては化粧品の種別単位で承認・許可を受ける種別承認制度が用いられていたのですが、平成13年4月の改正により承認制度が廃止されたことへの代替的な措置として設けられた方法です。

同タイミングで化粧品基準が制定され、欧米型の「配合禁止成分リスト(ネガティブリスト)」および「配合制限成分リスト(ポジティブリスト)」等の制度へと移行されたことも、配合された全ての成分の表示を義務付ける制度の導入に関係しています。

この全成分表示には、邦文名での名称記載が要求されており、日本化粧品工業連合会が作成する「全成分表示名称」が事実上のスタンダードになっています(根拠通知:医薬審発第163号(医薬監麻発第220号)、平成13年3月6日『化粧品の全成分表示の表示方法等について』)。

ただし、この全成分表示名称は、好き勝手に希望を述べて作成してもらえるわけではありません。
原則として、すでにINCI名が存在するものか、現在INCI名登録を申請している最中の成分についてのみ、日本語の名称作成をしてくれる仕組みになっています。

作成申請には粧工連所定の様式を使用します。
また、申請のタイプによって添付する書類が異なります。
(詳しくはコチラのページもご覧ください)

手数料は、1成分につき1,000円です。
ただし、日本化粧品工業連合会傘下の会員は無料です。

当事務所では、全成分表示名称作成の代行も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

wINCI (Web Based Ingredient Dictionary)

ICID(INCI辞書)のウェブ版のことです。

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ログインIDとパスワードさえ設定しておけば、どこからでもどのPCからでもログインすることができます。

書籍版のICIDには無いメリットとして、

・キーワード検索が可能
・内容のコピペや印刷、PDFへの書き出しが容易に可能
・さまざまな検索機能を使ってINCIを多角的に調査可能

等が挙げられます。

特徴については、詳しくはブログ記事を書いていますのでそちらも併せてご覧ください。

INCI名は、成分分析時や化粧品の成分表示(全成分表示)時など、様々な側面において絡んでくる重要なファクターになります。特に化粧品輸入ビジネスにおいては、配合成分について輸入元とやり取りをする際にINCI名が共通言語になったりもするので、決して無視できない存在です。

そんな時、手元にあるのがかさばる書籍辞書ではなく、wINCIだと、非常に便利だし安心できます。

日本化粧品工業連合会

化粧品製造業者により1959年に設立された組織。通称「粧工連」。
連合会という名が示すように、東京化粧品工業会、西日本化粧品工業会、および中部化粧品工業会の3組織から構成されています。

一般ユーザー向けに、化粧品の使用方法についてのガイダンスやQ&Aといった情報をホームページ上で提供しています。
また、同じくホームページ上に、化粧品ビジネスに関するさまざまな統計資料もグラフ付きで掲載されていますので、閲覧してみるのも面白いです。

化粧品の事業者にとっては、粧工連が作っている化粧品成分表示や広告表現にかかわる自主基準・ガイドラインを把握することがとても大切になります。

我々のような、薬事に携わる行政書士にとっては、粧工連は次の2つの役割を果たす非常に重要な組織です。

・全成分表示名称作成業務
・輸出用化粧品証明書発給業務

前者については、その言葉通りです。
後者は、化粧品を海外輸出する際に、輸出相手国によっては提示が要求される書式です。

また、虎ノ門にある粧工連オフィスに行けば、書籍版のINCI辞書であるICIDを閲覧することができます。

PCPC(Personal Care Products Council)

日本名では「米国パーソナルケア製品評議会」と呼ばれる組織。
ワシントンD.C.を拠点としており、世界の化粧品業界、化粧品ビジネスに対し非常に強い発言力を持つ、業界の権威団体です。
「化粧品の国連」などと呼ばれることもあるようです。

前身はCFTA(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association。米国化粧品工業会)という名称でした。

余談ですが、日本において、一部の組織では未だにCFTAという名称を使用していますので、ご注意ください。(このブログにもう少し詳しく書いています)

日本において化粧品に携わる際に持つPCPCとの接点は、何といってもINCI名登録申請です。
PCPCにおいて開催されるINC meeting(INCI名命名委員会)において、INCI名は決定されています。

1つの成分のINCI名登録を申請するたび、PCPCに$400の手数料を支払います。
この手数料、成分数が増えれば増えるだけ、比例して増していきます。
10成分であれば$4,000、1000成分なら$40,000です。
ディスカウントされることはありませんので、注意してください。

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