直訳すれば、「含まれているかもしれない」制度。
化粧品の剤型(タイプ)によっては、ベースとなる成分は共通で、色について変化を持たせるために異なる種類の着色剤等を使用するものがあります。
例えば、口紅、マニキュア(ネイルカラー)、頬紅などです。
特にネイルカラーなどの場合、そのカラーバリエーションが多いことがよくあります。
50種類とか100種類に及ぶこともあります。
こういった色調ちがいの製品はいわゆる「シリーズ製品」として、行政上の手続き、代表的には「化粧品製造販売届出」上において、「シリーズ製品」と括ることで届出を1本で済ませることができます。
ただ色調がちがうだけで、50件とか100件の届出を出すのは非常に骨が折れますものね・・・。それを回避するための一種の救済処置ですね。
そして、同じような措置が、化粧品の「全成分表示」上にもあるのです。
上記のように、色の成分のみ変えることで50とか100種類のカラーバリエーションを作り出しているシリーズ製品の場合、着色剤に該当する成分についてはそのシリーズに含まれる全ての成分をまとめて表示することができます。
解りやすく、例を使って説明します。
例えばネイルカラーのシリーズ製品で、カラーバリエーションが5つあったとします。
そして、色調に変化を持たせるために、以下のようにそれぞれ異なるPigment(色素成分)を使用しているとします。
<製品1>色素A、色素B、色素C
<製品2>色素B、色素C、色素D
<製品3>色素C、色素D、色素E
<製品4>色素D、色素E、色素F
<製品5>色素E、色素F、色素G
この場合、すべての品目において1回でも使用されている成分を選ぶと、色素A~色素Gの7種、ということになります。
この場合、[+/-]の後に7種を全て書くことで、カラーバリエーションに共通して使用することができるようになります(以下の様な感じ)。
[+/-]色素A, 色素B, 色素C, 色素D, 色素E, 色素F, 色素G
(※色素名はいずれも架空のものです)
したがって、法定表示を表示するための外装(ラベリング)についても、1品目1種類作成してすべてのカラーバリエーションに流用すれば良くなり、コスト的にもかなり抑えることができます。
なお、粧工連が平成14年2月27日に発表している「化粧品の全成分表示記載のガイドライン」によれば、全成分表示上における「着色剤(色素成分)」は以下の様に定義されています:
・・・なお、ここでいう着色剤には、タール色素(有機合成色素)、無機顔料(酸化チタン、酸化鉄、マンガンバイオレット等)及び天然色素(βーカロチン、グアイアズレン、銅クロロフィリンナトリウム等)の他に、次のものを含めてもよい。
1)展色や色調の調整の目的で配合される体質顔料(タルク、カオリン、ナイロン、エチルセルロース等)
2)予製される混合着色剤(いわゆるプレミックス)だけに配合される油分、酸化防止剤等
この内容から、上記の例外1)、2)に該当する成分についても、May Contain制度を活用した成分表示をすることが可能、と解することができます。