「化学・薬学専門課程修了」を総括資格に使う場合の注意点|化粧品製造販売業許可・化粧品輸出入の専門家

サニー行政書士事務所

  • 0424074814

    電話受付 平日10:00~18:00

  • メールでのご依頼はこちらから

代表ブログ

「化学・薬学専門課程修了」を総括資格に使う場合の注意点

化粧品製造販売業許可申請 

こんにちは。
サニー行政書士事務所の岡村です。
本日もブログに訪問下さり、ありがとうございます。

今回のブログ内容は、「総括製造販売責任者」の資格要件についてです。
ブログタイトルだけでは少々分かりづらいかもしれませんが、もう少し詳しくするならば、

総括製造販売責任者の資格要件のうち、「化学や薬学の専門課程を大学等で修了(卒業)している」という要件を用いる場合のFD申請時の注意点

といった感じです。

あまり遭遇する頻度は高くないかもしれませんし、どちらかといえば細かい部類に入るものですが、知らなければうっかり間違ったFDソフトウェア操作をしてしまいがちです。
以下に、具体的に説明したいと思います。

 

1.医薬品医療機器等法(薬機法)施行規則第85条

総括製造販売責任者のポジションに就ける人は、いったいどういった資格要件を満たしていなければならないのか?
その具体的内容が、薬機法施行規則の第85条に書かれています。

(医薬品等総括製造販売責任者の基準)
第八十五条 医薬部外品の品質管理及び製造販売後安全管理を行う者に係る法第十七条第一項の厚生労働省令で定める基準は、次の各号のいずれかに該当する者であることとする。
一 薬剤師
二 旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)に基づく大学、旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)に基づく専門学校又は学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学若しくは高等専門学校(以下「大学等」という。)で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者
三 旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)に基づく中等学校(以下「旧制中学」という。)若しくは学校教育法に基づく高等学校(以下「高校」という。)又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した後、医薬品又は医薬部外品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に三年以上従事した者
四 厚生労働大臣が前三号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者
2 化粧品の品質管理及び製造販売後安全管理を行う者に係る法第十七条第一項の厚生労働省令で定める基準は、次の各号のいずれかに該当する者であることとする。
一 薬剤師
二 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者
三 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する科目を修得した後、医薬品、医薬部外品又は化粧品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に三年以上従事した者
四 厚生労働大臣が前三号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者

今回、注目したいのは、第1項および第2項の「二」すなわち「第2号」の内容です。
上記を見て分かるとおり、第1項は「医薬部外品」の場合、第2項は「化粧品」の場合について書かれていますね。
だんだんと、注意点が何なのか分かってきたでしょうか。

 

2.医薬部外品の場合は第1項第2号、化粧品の場合は第2項第2号!

そうです、条番号は同じ第85条、号番号は同じ第2号ですが、項番号が違うんです。

第2号は、部外品、化粧品とも、解りづらい書き方をしてありますが、ざっくりとまとめると、

医薬部外品 ⇒ 高専または大学で化学・薬学の専門課程を修了
化粧品 ⇒ 高校以上の教育課程で化学・薬学の専門課程を修了

更にわかりやすくすると、要するに「大学で化学や薬学を専攻したか?」ということです。
(「専攻」とはどういうことかについては、当サイトの用語集を参照ください)

この点、FD申請をする際、うっかりと医薬部外品、化粧品とも、同じ条文番号を選んでしまいがちです。

以下、実際のFD申請ソフトの画面です。
医薬部外品の場合、これを選択。

 
化粧品の場合はこっちです。

 

3.第3号要件でも注意点あり!

さて、もう1つついでに、関連する注意点を。
前述の薬機法施行規則第85条第1項および第2項で、3号の要件、つまり「化学・薬学の学習経験+実務経験」を要件に使う場合の注意点です。

第1項、第2項それぞれの3号の内容を見比べてみましょう。

第1項:
旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)に基づく中等学校(以下「旧制中学」という。)若しくは学校教育法に基づく高等学校(以下「高校」という。)又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した後、医薬品又は医薬部外品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に三年以上従事した者

第2項:
旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する科目を修得した後、医薬品、医薬部外品又は化粧品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に三年以上従事した者

青字の部分(=実務経験に関する要件)はほぼ一緒ですが、注目点はオレンジ色の部分です。
第1項すなわち医薬部外品の場合、薬学又は化学に関する専門の過程を『修了』が要件となっています。
一方で、第2項すなわち化粧品の場合、薬学又は化学に関する科目の『修得』が要件になっているだけです。

つまり、化粧品の場合、高校や大学で1度でも化学を履修した経験があればよい、ということです。(高校は履修が必須だったという人が大半を占めるはずなので、実質的に高校時代の履修経験を証明すればよい、ということになります)

逆に医薬部外品の場合、「修了」まで要求されるので、学歴に関しては実質的には第2号の要件と大差が無くなってしまいます(なので医薬部外品で薬剤師以外を総括に据える場合、第2号要件を満たす人を見つけるパターンが非常に多いです)。

 

まとめ

非常に細かいことではありますが、上記はいずれも、見落としてFD申請すると都道府県薬務課から修正指示を受けることになりますので、事前の申請書作成段階で注意が必要です。
当事務所で許可申請を代行させていただく場合、上記のような点はもちろん、他にも見落としがちなポイントを入念にチェックして書類作成をしますので、ご安心してご依頼いただけると思います。

以上、お読みくださり、ありがとうございました。

ページトップへ戻る