化粧品輸入販売プロセス⑯~製品の成分事前チェック⇒必要検査項目の特定~|化粧品製造販売業許可・化粧品輸出入の専門家

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化粧品輸入販売プロセス⑯~製品の成分事前チェック⇒必要検査項目の特定~

化粧品製造販売業許可申請 

こんにちは。
サニー行政書士事務所の岡村です。

前回の記事は、この「化粧品輸入販売プロセス」のブログ記事シリーズの開始当初から、全14回(②~⑮)に渡ってご説明してきた、化粧品輸入に関する各種行政手続きのトリである、「製造販売届出」についてのお話でした。

前回の記事:製造販売届出

この記事シリーズの1回目で、化粧品の輸入に係る手続きの全体の流れを俯瞰的にご説明した際、化粧品の輸入販売に関するプロセスは大きく以下の3つのカテゴリーに分類される、とお話ししました。

<A. 行政手続き関連>
<B. 成分分析関連>
<C. INCI名、成分表示名称関連>

前回までお話ししてきた内容が、上記のAの内容。
そして今回から全3回に渡ってご説明する内容は、Bの成分分析に関する内容になります。
実験イメージ

 

化粧品の成分分析の重要性

この化粧品の成分分析という作業、実はAの行政手続き(薬事申請手続き)に匹敵する程に非常に重要なプロセスです。

その理由は、次のように表現できます:
「せっかく輸入して日本に持ち込んだ化粧品が、配合成分に係るルール適合性や安全性の問題により、販売不可、ひいては回収するという事態を未然に防ぐため」。

さて、上記の理由に照らしながら、化粧品の成分分析の必要性について、解りやすく順を追って説明しましょう。

日本では、化粧品に関する成分規制は「化粧品基準」というルールによって定められています。
この「化粧品基準」の中で、いわゆる「配合禁止成分」や「配合制限成分」が細かく規定されています。

そして、こういった化粧品の成分に関する規則は各国各地域ごとに独自に存在します。
米国であればFDA(Food and Drug Administration; 連邦食品医薬品局)やCIR(Cosmetic Ingredient Review; 化粧品成分審査委員会)が定める基準、EUであれば欧州委員会によるEU化粧品規則のAnnex(II~VI)、中国であれば2007年の化粧品衛生規範に定める成分基準等です。

国地域によって互いに似通っているケースもあれば全く異なる場合もあります。

そして、日本との間の成分規制比較、という観点から言えば、体系的にかなり異なるのが現状です。

具体的な例としては、例えばホルマリン(ホルムアルデヒド)は海外では配合制限成分であることが多く、幅広く防腐剤として使用されていますが、日本では配合禁止成分です。海外からの輸入品に仮に配合されていることが発覚した場合、回収です。
(つい最近も某大手100円均一ショップで販売されていたマニキュアからホルムアルデヒドが検出され、全商品の回収というニュースがありました)

他にも安息香酸も防腐剤として活用されますが、これは日本、海外共に制限成分扱いではあるものの、その配合上限(最高濃度)が異なります(日本は概ね海外よりも数値が低め)。

また、少々成分規制の本筋からは外れますが、海外の化粧品製造現場の環境や状況によっては、カビや細菌等の微生物が混入していたり、ヒ素等人体に害を及ぼすような重金属が混入していたりするケースが多いです(ヒ素は配合禁止成分ではありませんが一番天然由来で検出される金属)。

従って、例え輸入元の国地域でその化粧品が問題なく製造販売されている場合であっても、それをそのまま日本に輸入してきて製造販売できる、とは限らないわけです。

まして、日本の化粧品基準のルールに抵触していることや細菌等の混入により安全性が確保できないことが、販売を開始してから発覚してしまった場合、製造販売者は、問題のある商品ロットの市場からの自主回収や主管都道府県庁(薬務課)への報告、取引先への賠償など多大な負担を強いられます。
加えて、その化粧品ブランド自体、ひいては製造販売業者自体のイメージ毀損といったダメージも背負うことになりかねません。

ではどうすればよいか?
実際に日本で流通販売させる前に、成分についての理化学試験を行い、化粧品基準への適合や製品の安全性を確保すればよいのです。

実際の販売に先行して、個人輸入の形で先方から商品サンプルをもらい、分析試験機関に対し試験依頼をかけます。
このプロセス自体、化粧品製造販売業許可や製造業許可はいりませんから、行政上の薬事申請手続きと並行して行っておくべきなのです。

 

化粧品によって異なるの成分分析試験のタイプ

さて、化粧品基準への適合性や製品の安全性を確保するための分析試験が必要である、それは解りました。
次の疑問は、
「ではそもそもどういった試験を依頼すればよいのか?」
という点です。

一番シンプルなのは、化粧品基準に関連するすべての成分項目についての一斉の試験を行うことです。そうすることが恐らく一番確実でしょうし、安心できます。

ですが約80項目もある全ての成分項目について試験依頼をすると、当然ながら試験依頼費用も高くなります。
まして、化粧品1品目だけの試験ならまだしも、仮に品目が10とか20もあると、大変な高額になってしまいます。

一方で、製品の処方(成分構成)を考えた場合に行う必要のない試験も含まれているため、無駄が生じてしまいがちです。

 

必要試験の事前スクリーニングチェック

そこでお勧めなのが、処方(どういった成分がどういった比率で配合されているか、の情報)を事前に製造元から入手し、処方の詳細内容を評価することで必要試験項目を特定する、というプロセスです。

当事務所では、このプロセスを「成分の事前スクリーニング」と呼んでいます。

これを行うことで、処方の特徴にもよりますが、ケースによっては試験依頼費用を半額以下に抑えることも可能となります。
試験信頼性の観点では、全成分の一斉検査にはどうしても劣りますが、それでも一斉検査が100だとすると、95くらいの信頼性は確保したうえで、当事務所が頂戴する報酬分を考慮しても、コストを約半額程度に抑えることも可能です。

特に輸入化粧品について、その安全性を確保するための分析試験をご検討の場合、まず当事務所にご相談いただければ、より適切かつ効率的な分析試験のご提案、ご案内ができると思いますので、ご一報ください。

 

当ブログのまとめ

◆日本で化粧品の配合成分規制を規定しているのが「化粧品基準」
◆世界各国でそれぞれ異なる化粧品成分規制が存在する
◆日本に輸入する場合、当然に「化粧品基準」への準拠が必要
◆一斉試験は確実性は高いがコストも高い
◆そこで、配合成分の内容を事前スクリーニングチェックをすることで、本当に必要な試験項目のみを特定
◆コストを抑えつつ、必要十分な分析試験を実現する!

 

さて次回は、分析機関へ実際の成分分析依頼のプロセスについて簡単にご紹介します。
お読みくださり、ありがとうございました。

次回>>化粧品輸入販売プロセス⑰~分析機関へ成分分析依頼~

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