化粧品製造販売業許可について

サニー行政書士事務所

  • 0424074814

    電話受付 平日10:00~18:00

  • メールでのご依頼はこちらから

化粧品薬事法務に関する用語集

化粧品製造販売業許可

化粧品製造販売業許可

「化粧品製造販売業」を行うための許可のことです。

PAK86_okesyouhin

まず1つ1つの言葉の意味を解きほぐしていきましょう。

「製造販売業」とは、どういう業態のことを指すのでしょうか?
最初に、法律(医薬品医療機器等法)上の定義を確認してみましょう。

第二条第13項
この法律で「製造販売」とは、その製造(他に委託して製造をする場合を含み、他から委託を受けて製造をする場合を除く。以下「製造等」という。)をし、又は輸入をした医薬品(原薬たる医薬品を除く。)、医薬部外品、化粧品、医療機器若しくは再生医療等製品を、それぞれ販売し、貸与し、若しくは授与し、又は医療機器プログラム(医療機器のうちプログラムであるものをいう。以下同じ。)を電気通信回線を通じて提供することをいう。

医薬品や医療機器、医薬部外品等に関する説明部分を省いて、純粋に化粧品に関することだけに絞ると、以下のような形になります。

この法律で「製造販売」とは、その製造(他に委託して製造をする場合を含み、他から委託を受けて製造をする場合を除く。以下「製造等」という。)をし、又は輸入をした化粧品を、それぞれ販売し、貸与し、若しくは授与することをいう。

つまり「製造販売」という名称ではありますが、実際に製造行為を行う立場のことではありません。この点が誤解、混乱を生みやすいポイントではあります。

端的に表現するならば、

化粧品を輸入、販売及び流通させる上での最終的な責任を負うもの

とでも言い表すことができると思います。
同時に、

製造業者を管理監督する立場にあるもの

ともいえます。

製造販売業者は、製造業者が製造した化粧品に対し「出荷判定」を施し、上市、つまり市場へと流通させる責任を負います。そこでは、製品の品質管理や不良品への対応等、品質管理業務(GQP)が重要な役割を占めます。

また一方で、販売後の製品について、その安全性を担保する責任も負います。安全管理に関する情報収集や安全確保措置の実施等、製造販売後安全管理業務(GVP)を行う必要があります。

「許可」とは、『一般的に禁止されていることを特定の場合に解除し、適法に一定の行為を行わせる行為』のことです。

化粧品製造販売業の場合、書類による許可申請を各都道府県に対し行い、審査を受けることにより許可を取得することができます。

医薬品医療機器等法施行規則の第19条に、許可申請について以下のような規定が明記されています(化粧品に関する情報のみを抜粋して掲載します)。

法第十二条第一項の化粧品の製造販売業の許可の申請は、様式第九による申請書を令第八十条の規定により当該許可の権限に属する事務を行うこととされた都道府県知事に提出することによつて行うものとする。
2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添えなければならない。ただし、申請等の行為の際当該申請書の提出先とされている都道府県知事に提出され、又は当該都道府県知事を経由して厚生労働大臣に提出された書類については、当該申請書にその旨が付記されたときは、この限りでない。
一 申請者が法人であるときは、登記事項証明書
二 申請者(申請者が法人であるときは、その業務を行う役員。以下この号において同じ。)に係る精神の機能の障害又は申請者が麻薬、大麻、あへん若しくは覚醒剤の中毒者であるかないかに関する医師の診断書
三 申請者が現に製造販売業の許可を受けている場合にあつては、当該製造販売業の許可証の写し
四 申請者が法人であるときは、その組織図
五 申請者以外の者がその医薬品等総括製造販売責任者であるときは、雇用契約書の写しその他申請者のその医薬品等総括製造販売責任者に対する使用関係を証する書類
六 医薬品等総括製造販売責任者が法第十七条第一項に規定する者であることを証する書類
七 品質管理に係る体制に関する書類
八 製造販売後安全管理(法第十二条の二第二号に規定する製造販売後安全管理をいう。以下同じ。)に係る体制に関する書類

第1項でいうところの様式第九による申請書は、現在はFD申請という電子的申請方法による申請書データに置き換わっています。

第2項で、さまざまな添付書類が指定されています。
これら以外にも、主たる機能を有する事務所の付近略図や保管設備の平面図、建物配置図、製造販売品目一覧表等の添付が要求されることがあります(都道府県によって細目は異なります)。

また、法律上、また各都道府県の要項上明記はされていませんが、GQP、GVPに係る手順書も許可申請時に提出が求められます。
申請書類一式と一緒に提出をし、その後の立入調査(実地調査)において修正箇所を指摘される、という流れです。

書類申請から35日(開庁日計算)、正味7週間の標準処理期間を経て、審査に問題がなければ許可証が交付されることになります。
その標準処理期間の真ん中あたりで、実地調査が入ります。

この実地調査の際、総括製造販売責任者に要求されるのが、製造販売業の体制に関する十分な理解です。
具体的には、
・会社が手順書(GQP、GVP)としてルール化している内容を抜かりなく把握しているか?
・化粧品製造販売業に直接関係する厚生労働省等からの通知類を網羅的に理解しているか?
この辺りのことが問われます。

この理解が浅い、不十分と判断されると、調査指摘事項として改めて、その理解度の提示を要求されることになります。
したがって総括製造販売責任者等などの業務責任者は、GQP、GVP手順書の十分な理解もさることながら、厚労省等監督官庁から出される通知の情報もしっかりと把握できる体制も構築しましょう。

「手順」についての理解度、習熟度が許可要件に絡んでくることの根拠は、下記の通りGVP、GQP省令に書かれています。

第十二条の二 次の各号のいずれかに該当するときは、前条第一項の許可を与えないことができる。
一 申請に係る医薬品、医薬部外品又は化粧品の品質管理の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合しないとき。
二 申請に係る医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造販売後安全管理(品質、有効性及び安全性に関する事項その他適正な使用のために必要な情報の収集、検討及びその結果に基づく必要な措置をいう。以下同じ。)の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合しないとき。
三 申請者が、第五条第三号イからヘまでのいずれかに該当するとき。

この「厚生労働省令で定める基準」というのが、GQP省令であり、GVP省令になるわけですね。

ページトップへ戻る