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ガラパゴス化したINCI名

その他、INCI名、日本語成分表示名称に関するお役立ち情報等 

こんにちは。
サニー行政書士事務所の岡村です。
本日もブログに訪問くださり、ありがとうございます。

ガラケーという言葉、すっかり世間に定着しましたよね。
ガラケー=ガラパゴス携帯電話の略。
ここでいう「ガラパゴス~」とは、その場所のみで独自の進化を遂げたもの、という意味で、言うまでも無く語源となっているのは中南米エクアドルの沖にあるガラパゴス諸島です。
ここでも、生息する動植物が非常に特異な生物相を持っていることで有名です。

さて、本日のブログのテーマにさせて頂いているのは、私が勝手に「ガラパゴスINCI名」と呼ばせてもらっている、INCI名の特殊な形態についてです。
本来の「ガラパゴス~」とはニュアンスが少々異なるのですが、実態は結構似ているので、そう呼ばせてもらっています。
では、ガラパゴスINCI名とはいったい何なのか、説明したいと思います。

 

1.ガラパゴスINCI名とは?

一言で説明すれば、PCPCのデータベース上は他INCIに置換・統合されたり、廃止されたりしているのに、日本の粧工連HPにあるデータベース上は依然として存在し続けているINCI名のことです。

以前にも当ブログで取り上げましたが、INCI名は随時改訂されています。
ひとたび決定した名称でも、時代の変遷や技術革新、新たな概念の誕生などを原因として、数年後には別のINCI名に置き換わっていくものがあります。

米国のPCPCが発売しているオンラインINCIデータベースであるwINCIでは、そういった情報のアップデートはタイムリーに行われており、1カ月前までは存在したINCI名が、今日からは無くなっている、或いは別のINCI名に置き換わっている、といった現象はよく見られます。

 

2.日本の粧工連の対応

現在の全成分表示名称上の作成ルールとして、「原則としてINCI名を基に名称作成を行う」とされています。
それに照らせば、大元のINCI名が変わった場合、それに伴い作成されている日本語成分名称も、変更後のINCI名に照らし名称の修正・アップデートがなされて然るべきです。

ところが・・・
粧工連のHPで利用できるデータベースの検索結果を見ると、旧INCI名の情報のままになっている成分が多く見られます。
こうして「大元PCPC側のアップデートに連動せず取り残されているINCI名」のことを、勝手ですがガラパゴスINCI名、と呼ばせてもらっているわけです。

 

3.ガラパゴスINCI名は問題無いのか?

PCPCのルール、ひいては全世界的なINCI名を使用した全成分表示名称上のルールに照らせば、消えてしまった、無くなってしまっているINCI名を使うことはNGです。
随時、例えばロットの切り替えタイミングなどで、速やかにラベル上の法定表示情報も差し替えて行かなければなりません。

しかし、この点粧工連に問い合せたところ、「現場の混乱が大きくなるから」という理由で問題無いそうです。
そもそも、日本ではINCI名を直接法定表示に使うわけではないし、仮にINCI名が変わっていたとしても結局対応する日本語成分名称に変化の余地が無いのであれば、ラベルの情報アップデートも不要ではあるのですが・・・。

ただ見ていると、結構Drastic(大幅)に変化してしまっているINCI名もあるんですよね・・・。
INCI名が大きく変わっているのに、対応する日本語名がそのままなのでは、下手をすると成分に関する誤解を消費者に与えることにも成りかねないと思います。

INCI名のアップデートに従って、臨機応変に日本語名称もアップデートしていき、それを業界にも確実に認知、アラートしていく仕組み作りが必要だと感じます。

 

当ブログのまとめ

「ガラパゴスINCI名」は、PCPC側のルールから見たら形式上NG寄りなのでしょうが、日本ではOK、あるいは黙認されているような状態。
現状大きな混乱等は起こっていないし、業界的に問題無いのであれば良いのですが、果たしてずっとこのままでいいのか?
INCI名のアップデートとうまく連動する仕組みが何とか創れないものだろうか・・・。

 
お読みくださり、ありがとうございました。

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