化粧品表示名称のリスト収載のルール|化粧品製造販売業許可・化粧品輸出入の専門家

サニー行政書士事務所

  • 0424074814

    電話受付 平日10:00~18:00

  • メールでのご依頼はこちらから

代表ブログ

化粧品表示名称のリスト収載のルール

日本語成分表示名称の作成プロセスに関すること 

こんにちは。
サニー行政書士事務所の岡村です。

今日は、INCI名登録申請とある意味対となるプロセスである、日本語の化粧品表示名称作成業務について、ちょっとしたマメ知識をお伝えします。

 

粧工連に対する化粧品成分表示名称作成申請

化粧品の全成分表示義務を果たすために使用される化粧品成分名称のスタンダードである、日本化粧品工業連合会(粧工連)が作成する化粧品成分表示名称(全成分表示名称)。

新たに成分表示名称を作成したい場合その原料成分について対応するINCIが必要になる、という点については、このブログでも過去に何度も言及してきた通りです。

さて、その粧工連への全成分表示名称作成申請には、以下の3つの方法があります。

A ICID(INCI辞書)に既に収載されているINCI名について、表示名称作成を申込む
B PCPCからの決定通知を受けたINCI名について表示名称作成を申込む
※ただし、決定通知後あまり期間をおかずにwINCIには収載されるので、実務上このBはあまり意味が無いかもしれません。INCIと成分名称の両方を必要とする場合、後述のCのプロセスを採った方が、結果的に双方とも早く確定する可能性が高いためです。
C 現在INCI名登録申請中の成分名称について、同時に表示名称作成も申し込む

 

パターンCのバリエーション

さらに、Cには2通りの方法があります。

a)INCI名取得後に、表示名称の作成を希望
b)INCI名取得前に、表示名称の作成を希望

a)はつまり、INCIの登録申請と同時に、同原料成分の日本語名称の作成依頼も予め行っておく、ということです。
イメージとしては、日本語名称作成の「予約枠」を確保しておく感じでしょうか。
そして、INCIが確定したら間髪入れずその決定通知を粧工連に連携して、日本語名称作成のプロセスに入ってもらう、という流れです。

流れとしては INCI名登録 → 日本語名称作成 となるので、上記のBと似ていますが、異なるのはあくまでもCは「同時申請」であるということです。
「予約枠」という表現を使いましたが、単純にBのようにINCIが確定してから改めて日本語の表示名称作成申請を行うよりは、優先して名称作成プロセスに入ってもらえます(1か月程度の短縮は見込める)。

b)は、INCI名取得を待たずに、表示名称作成のプロセスにも入ってもらう方法です。
メリットとしては、INCI名作成と日本語表示名称作成が完全な同時プロセスで動くので、その分時間の短縮になる、という点です(当事務所の実例として、双方が同じタイミングで、申請から3ヶ月程度で出来上がったこともあります。つまり通常個別に行う場合の半分の期間)。

ただ一方、デメリットというかリスクとして、作成プロセスが同時並行である以上日本語名称はINCI名を参考として作成されないため、後日に取得したINCI名によっては、日本語表示名称が変更になる可能性があることが挙げられます。

あくまでも、粧工連の全成分表示名称リストに収載されるためには、INCI名がベースの名称でなければなりません。

 

b)の方法をまとめると・・・

つまり、b)の場合は、流れとしては
①INCI名と日本語表示名称の申請を同時に行う

②INCIが先に確定した場合、その決定通知を追加資料として提示する。粧工連からは(間に合えば)そのINCIを考慮した形での日本語表示名称が決定通知される。

②’日本語表示名称が先の確定である場合は、いったん粧工連から決定通知(仮に決定通知①とします)が届く。その通知に記載の日本語表示名称を使用することは問題ない。
ただし、INCIが決定した時点で、その決定通知を追加資料として提示する。粧工連はその決定通知を基に、INCI名に基づいた形の日本語表示名称を再審査する(約3ヶ月)。

再審査の結果、最終確定版の日本語表示名称の決定通知(決定通知②)が届く。
もし決定通知①に記載の日本語名称と決定通知②の名称が異なる名称となった場合、②の名称に上書きされた上でリストに収載される。

したがって、b)の方法を採る場合、INCI及び日本語名称決定までの期間は短くなりますが、その日本語名称が後日変更される可能性がある、ということになります。

粧工連によれば、上述の決定通知①の名称、決定通知②の名称のどちらも、正規の審査の結果作成された、その成分を示す名称であることは変わりないため、①の名称でも差支えは無いそうですが、結果的にリストには収載されない名称である以上、消費者等から問い合わせを受ける可能性はあります。

ですので、当初は決定通知①の成分名称で全成分表示をしている商品であっても、新たなロット発注時等、オペレーション上ラべリング表示の切替が比較的容易なタイミングを活用して、決定通知②の名称へ切り替えていくことが推奨されます。

ご参考いただければ幸いです。
お読みくださり、ありがとうございました。

 

当ブログのまとめ

◆粧工連への日本語表示名称の作成申請には3つのパターンがある
◆INCI名と同時並行で作成申請するパターンCにはさらに2つのバリエーションあり
◆それらバリエーションには、それぞれ留意点があるので把握した上で選択する必要あり

 
 
丁寧確実、迅速対応、明朗会計!
INCI名についての御依頼、お問い合わせは是非当事務所をご活用ください!
INCI名登録申請代行サポート
お問い合わせ

参考になった!と思われた方。
善意のクリックをお願いいたします。


美容・ビューティー ブログランキングへ

ページトップへ戻る